奥山ドクターの往診学 第5回
在宅患者の継続的診療は地域を病棟とする医療展開
他の医療機関から紹介される場合もあります。
比較的高機能な病院にかかっていた患者が、通院困難になって紹介される場合です。また、医療、介護上の問題をかかえて自宅退院になるケースですが、いったんは当院に転院の形をとる場合が多いと思われます。
③ 在宅ケアサービス・介護保険利用者の中から
特別養護老人ホームでのショートステイ利用、老人デイサービスや巡回入浴サービス利用などの在宅ケアサービスの普及に伴い、それまできちんとした医療を受けてこなかった患者が見つけられる場合があります。
主治医意見書や診断書のための受診をきっかけに、医師から継続的医療の必要な疾患を発見されたり、新たに訪問診療に移行する場合があります。
入所サービスやショートステイサービスを受けた人の中から、退所にあたり、訪問診療の対象者が掘り起こされることもあると思います。
在宅サービスの多くを自治体直営で行っているところでは、在宅介護支援センターや、ケアマネージャー、訪問看護ステーションからの紹介が、非常にスムースに行われているところもあります。
④ 地域社会での評判で
いずれの場合でも、在宅医療活動の地域社会での評判そのものが、新たな患者の供給に大きく影響するのはいうまでもありません。
6.24時間対応の必要性
訪問診療は、自宅で療養する患者を継続的にみるためのひとつの方法であり、それは在宅医療の最も重要な要素ではありますが、また、在宅医療の一部をなすに過ぎないともいえます。
訪問診療を受ける患者は、要介護高齢者、難病患者を含む若年の神経疾患・外傷後遺症患者、悪性腫瘍の末期患者などが主であり、いずれも全身状態が不安定化しやすい患者群といえます。これらの患者への24時間の医療的相談、対応が可能か否かが、患者が自宅で療養できるための不可欠な要素であることも少なくありません。
すなわち、訪問診療を含めた在宅患者の継続的診療は、24時間365日にわたるものであり、その意味では病棟医療と似ているといえます。訪問診療が「地域を病棟とする医療展開」と比喩されるゆえんでもあります。逆に、訪問診療を行う医療機関が24時間対応するシステムを持たなければ、訪問診療は、技術的に大きな制約を受けることになります。(つづく)
(イラスト提供:みんとクリニックhttp://www5.plala.or.jp/tikori/)
(奥山敬 医師:稜北内科小児科クリニック 消化器内科&在宅医療部長)



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