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2008年12月21日 (日)

奥山ドクターの往診学 第6回

巾広い訪問看護の適応 慢性疾患や外来患者にも利用をすすめたい

7.訪問看護の重要性

Ketuatu  訪問診療を行う医師の立場からみると、訪問看護に、患者の病状の観察・情報提供や処置の代行など訪問診療を支援することと、疾病・障害を持つ患者の生活行動を援助することの二つを期待することができます。

 力のある看護師は、利用者のニーズから出発して、独自にケアのプログラムを立て実行します。障害や疾病のケア、保健予防、寝具や居室などの環境の調整、運動や外出など行動範囲の拡大、介護者の能力や精神状態、疲労状況などの評価まで、障害を持つ患者の在宅ケアにおいては、訪問看護師は、訪問診療医師以上に基本的・中心的な役割を果たしえます。

 また前者の診療支援業務は、いわば医療機関内の看護業務のなかの診療介助業務を、在宅ケアにまで延長したものといえます。訪問診療という限られた条件の下で正確な診断と治療を提供するために、看護師が心強い支えになるのは病棟医療と同様です。

 ですから、病状的に安定した慢性期の患者にも、訪問看護の利用を勧めたいと思います。

 患者・介護者に対して、将来的に病状が悪化する危険とその要因を説明し、予防と早期対処のためにも訪問看護につなげることが望まれます。寝たきり、褥瘡、閉じこもり、摂食不良や誤嚥、尿路感染、便秘などのほか、廃用症候群、転倒防止、介護疲れなどについても訪問看護の効用は大きいと思います。

 病状が悪化したときに、訪問看護師が医師より先に訴えを受け止め、ケアをしながら医師に情報を伝えるケースは少なくありません。寝たきり患者の発熱や、がんの患者の疼痛、便秘などでしばしば経験します。

 病状が不安定になった場合、頻回の訪問看護の実施・治療への協力を求めることができます。褥瘡の処置、経管栄養や各種カテーテルの管理・処置、時には輸液などまで、訪問看護師の協力を得ることがあります。

 また、訪問看護は、訪問診療を行っている患者ばかりでなく、外来患者についても行うことができます。外来に通院している患者の中にも、訪問看護の必要な患者は潜んでいると思うのです。たとえば、次のような場合です。

・診察を受けず、薬のみもらっている人・身体的苦痛、または精神的苦痛の訴えの多い人・現疾患の症状が安定していない人

・食べられなくなってきたり、水分摂取の少ない人・痴呆症状が悪化したり、不穏状態になった人・排便コントロールが難しい人・褥瘡ができていたり、できる危険性の大きい人・起き上がる意欲のない人や、うつ状態の人・独居の人や、介護者が高齢の人・家族が患者の病状や症状にストレスを感じている人・家族が介護方法に不安を感じている人等々。

 外来患者で、ADLは自立していても、生活上の工夫をすることで、疾患の悪化や寝たきりを予防したり、精神的に安定した生活を送れる人も、訪問看護の適応があります。(つづく)

(イラスト提供:みんとクリニックhttp://www5.plala.or.jp/tikori/

(奥山敬 医師:稜北内科小児科クリニック 消化器内科&在宅医療部長)

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